SNSなどの口コミで密かに人気を集めている『マグロス』
マグネットがつく壁を作るための方法の1つでもあるこのマグクロスですが、「壁紙の下に薄い鉄板を仕込む」というもの。
新築を計画中の方が、「マグネットがつく壁」を検討する場合、高確率で『マグロス』を紹介されるということを耳にしました。
なのでこの記事では
- マグロスを使ってみようか検討している
- マグロスのメリット・デメリットは?
- どんな風に使えるの?
という疑問を持つ方に向けて、『マグロス』について徹底的に分析した結果と、マグネット研究所としての正直な意見を伝えたいと思います。
マグロスのメリット・デメリット
『マグロス』のメリット・デメリットを紹介する前に、「マグロスに付いてそもそもあまり知らない」という方のために、簡単に製品紹介をしておきます。
マグロスとは
出典;マグロス株式会社
『マグロス』とは、株式会社マグロスの製品。
壁本体と壁紙の間に極薄のアイアンシートを仕込むことにより、壁紙の上から磁石をつけられるようにするためのものです。
マグロスに使われているアイアンボードは0.27mmという薄さで、特殊加工により経年劣化による錆の心配はありません。
錆による劣化の心配がないため、表面の壁紙を美しい状態で保てます。
メリットとデメリット
『マグロス』に付いて大まかに知ってもらったところで、ここからはメリットとデメリットを紹介します。
メリット
『マグロス』のメリットは2点。
- アイアンシートのため比較的磁石の吸着力が強い
- どんな壁紙も使える
1点目は、壁紙の下に鉄100%のアイアンシートを使っているため、他の建材に比べ『マグロス』に付く磁石の吸着力は強くなるということ。
ただ、表面に壁紙を貼るので「比較的強くなる」程度で、「そこまで他の建材と大差は無いのかな」とも思います。
2点目は、どのメーカーのどんな壁紙でも表面に施工できるということ。
壁紙の種類に制約がないため、こだわりの壁紙がを使いたい方には嬉しいポイントですね!
デメリット
『マグロス』のデメリットは以下の3つ。
- 施主支給になることが多い
- 板を挟むので壁に段差ができる可能性もある
- サイズカットが難しい
1つ目は、ハウスメーカーなどでも扱っていない場合が多く、施主支給になる場合が非常に多いです。自分で商品の発注や施工業者への依頼が必要になります。
2つ目は、0.27mmという極薄の鉄板ですが、施工する場合に段差ができる可能性があります。
3つ目は、好きなサイズで使用しにくいということ。S,M,Lと規定のサイズがありますが、MとLの中間ぐらいの大きさが必要な場合は、加工する費用が別で必要になります。
マグロスの磁石が付く強さは?
『マグロス』の磁石の吸着力に付いては株式会社マグロス公式サイトにしっかりと明記してありました。
マグロスは他のマグネットが付く壁同様、マグロス本体に磁力があるわけではなく、吸着力は取り付ける磁石の磁力に依存します。
公式サイトによると、マグロスに対する磁石の吸着力は耐荷重表記の20~30%になるようです。
例えば、耐荷重2kgのフック付きマグネットには、おおよそ400~600gまでは吸着できる計算になります。
100%鉄の素材とは言え、表面に壁紙を貼るので吸着力が表記されているものより弱くなるのは仕方ないですね。
ただ、マグネットが付く壁として、表面に壁紙を貼って20~30%の吸着力を維持できるのは、なかなか優秀な数字だと感じました。
結果、マグロスはおすすめ?
結論から言うと、マグネット研究所としては『マグロス』はおすすめしません。
なぜその結論になったのか、その理由としては
『同じような長所を持った、タイガーFeボードの方が良い』と感じたからです。
- 施工のしやすさ
- 費用
- リスク
特にこの3つの点で『タイガーFeボード』の方が優れています。
施工のしやすさについて
「施工のしやすさ」とは、施工業者が『マグロス』または『タイガーFeボード』を施工する場合の扱いやすさです。
新築やリフォームの際、マグネットがつく壁を作るためには、施主支給で行わなければならない場合がほとんど。
そのとき、『マグロス』と『タイガーFeボード』では圧倒的に『タイガーFeボード』の方が扱いやすいので、業者が施工を受け入れてくれやすいです。
費用について
『マグロス』は基本的にマグネットを付く壁を作るための建材の中では安い分類に入ります。
ただ、壁本体の上にマグロスを施工してから、その上に壁紙を貼るため、どうしても工程が多くなり施工費が高くなります。
それに対し『タイガーFeボード』では石膏ボードであるタイガーFeボードの上に直接壁紙を貼り付けられるので、その分の施工費がやすくなる傾向に。
費用面で見ても『タイガーFeボード』に軍配が上がります。
リスクについて
『マグロス』では、わずかではありますが完成時に鉄板の段差ができてしまう可能性があります。
0.27mmと言う薄さなので、口コミの多くは「ほとんどわからない」と言う声も多かったですが、物を挟んでいる以上可能性は0ではありませんよね。
その点『タイガーFeボード』では、普通の石膏ボードと同じ厚さなので、段差が生まれる可能性は0です。そもそも物を挟んでいないので100%ありません。
施工時のリスク面でも『タイガーFeボード』の方が安心です。
結論
マグネット研究所としては『マグロス』はあまりオススメしません。
確かに『マグロス』はとても良い建材ではありますが、
「マグロスを使うならタイガーFeボードでいいんじゃないの?」と言うのが正直な感想です。
ただ、総合評価として『タイガーFeボード』に軍配が上がりましたが、もちろん『マグロス』の方が優れている点もあります。
この2つの建材をもう少し深く比較したものはまた別の記事で解説しようと思います。
この記事を読んで『マグロス』か『タイガーFeボード』で悩む方は、こちらも参考に下ください!